今日の科捜研&鑑識班
鑑識班と鑑識班のパートナー、科捜研の気になる技術をちょこっと解説


第一化学を贔屓にしております。

警視庁鑑識班17(2004/6/8)
鑑識班
<ロイコマラカイトグリーン法による血液予備試験>
ロイコマラカイトグリーン:C23H26N2 板状結晶
エーテル・ベンゼン・トルエンに易溶。アルコールに可溶。水に不溶。
分析用試薬として用いられる。

<シアノアクリレート法による指紋検出>
シアノアクリレート樹脂を蒸気化させ、その蒸気と化学反応をおこし指紋が検出できる。
身近なシアノアクリレート樹脂と言えば、瞬間接着剤です。



科捜研
<ポリメチルメタクリレート>
Poly(Metyl methacrylate) ポリメタクリル酸メチル
代表的なメタクリル樹脂(methacrylic resin)の一つ。有機ガラスとして板ガラス、光学ガラスに用いられる。他にもコンタクトレンズ、歯科材料などに用いられる。
今回、歯科材料として用いられていたものが現場から発見された。

<レーザラマン分光光度計による>
レーザラマン分光光度計:可視光領域のレーザー光を試料に照射し、散乱されるラマン光を測定することによって、試料中の分子の結合状態についての情報が得られる。
分子の構造決定と未知物質の同定に使われる。

<ICP−MS質量分析による土砂の異同識別>
ICPをイオン化源とした質量分析法。極微量成分や不純物などを高感度で元素分析できる。また、多元素分析が同時に行う事が出来る。同位体分析も可能。
今回は、花粉の混じった土の分析に使われた。

<異同識別とは?>
科学的に同一なものかどうかを識別する事。




警視庁鑑識班2004
連ドラ版の解説。ここから鑑識&科捜研技術好きが始まった。

1月28日
<走査電子顕微鏡による表面分析>
SEM(Scanning Electron Microscope)とも言う。
光の変わりに電子を利用する顕微鏡。(普通の顕微鏡は光学顕微鏡です。)
これにより試料の表面解析を行う。使用している機械はS-3000N(日立)

<薄層クロマトグラフィー>
TLCとも言う。吸着クロマトグラフィーの一種。
試料の吸着の強さと溶媒への溶解性の違いにより有機化合物の分離・同定を行う分析方法。
吸着剤を塗布した薄層プレート上に試料を置き、プレートの一部を溶媒に浸すと、毛細管現象に
よってプレート上を溶媒と共に試料が移動する(これを展開すると言う)。物質による移動の違い
によって、分離・同定を行う。
今回は染料検出に用いた。

<ガラス細工>
化学屋にガラス細工はつきもの。ちょっとしたガラス器具を作ったり修理したりする。
今回は試料の封入を行った。

<染料>
有機色素で繊維に吸着するものの総称。
天然色素→動植物に含まれる色素。藍(成分色素:インジコ)・茜(成分色素:アリザリン)
合成色素→石油などから合成される色素。アゾ染料・アントラキノン染料など。

<振とう恒温水槽>
水を入れた水槽の温度を一定に保ち、尚且つ一定スピードで揺らす事が出来る。
今回は試料の溶解に使用(たぶん)
2月4日
<FT−IRによる成分分析>
FT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)による分析。試料に赤外線を照射すると、特定の
波長の光が吸収される。この吸収度合いから化合物の同定を行う分析方法。

<DNAの抽出>
ちらっと映った溶液の感じからフェノール・クロロホルム法によって抽出していると思われます。
(違ったらごめんなさい)
1、SDS(界面活性剤)の入った溶液に試料を入れ、溶解する。
2、フェノール・クロロホルム溶液を加え穏やかに混和する。たんぱく質は中間層にDNAは水層に
  移行する。
3、遠心分離機にかけ水層とフェノール層を分離させ、水層だけを取る。
4、DNAが含まれている水層にエタノールを加えるとDNAが析出する。

<DNAシーケンサ>
DNAの塩基配列を読み取り、解析する装置。使用機械はSQ-5500E(日立)
2月11日
<GCMSによる液体成分の分析>
GCMSとはガスクロマトグラフィー質量分析法のこと。GCの分離能力とMSの同定能力の両者の
特性を生かした分析方法。
GC→ガスクロマトグラフィー。気体にした試料をキャリヤーガス(不活性ガスを用いる)の流れて
いるカラムに注入し、成分を分離する。
MS→質量分析計。

<クロマトグラフィーとは?>
試料成分の2相間のへの分布の差異を利用して、多成分混合物から各成分を分離分析する方
法の一つ。液体クロマトグラフィー・ガスクロマトグラフィーなどがある。

<コルヒチン>
colchicine.C22H25NO6
ユリ科のコルチカム(和名:イヌサフラン)の種子や根茎から単離されたコルチカムアルカロイドの
代表的なもの。痛風に有効。また植物の品種改良などにも用いられる。
エタノールに易溶なので今回お酒に混入されていた。

<アルカロイド>
植物などに由来する塩基性のある窒素含有化合物。古くから医薬・毒薬として使われてきた。
2月25日
<ニンヒドリンによる潜在指紋の検出>
ニンヒドリン反応:たんぱく質・ペプチド・アミノ酸の呈色反応。
ニンヒドリン溶液少量を加え熱すると紫色を呈する。アイロンをあてていたのは熱を加える為。
3月3日
<ICP発光分光光度計による土壌の異同識別>
ICP:高周波誘導結合プラズマを光源とする発光分光分析。
微量成分の分析に有効であり、無機元素分析の一つ。
3月10日
<ポリビニルアルコール>
Poly vinyl alcohol:PVA
構造上、ビニルアルコールの重合体。しかし、ビニルアルコールは実在しない。
ポリ酢酸ビニルから製造されている。
のり材・接着剤・水性塗料などに用いられる。市販の液状の合成洗濯糊の成分。
今回、手袋に付着した汗より検出。切手の糊と推測され、凶器の発見へと繋がった。

参考文献
科学辞典(東京科学同人)
分析化学T・U(南江堂)
原色園芸植物図鑑(保育社)

鑑識班
刑事
ほーむ