三物黄(さんもつおうごんとう)

傷寒論・金匱要略条文

【金匱・婦人産後病篇附方】
婦人草蓐に在り、自ら発露して風を得、四肢苦煩熱頭痛する者には、小柴胡湯を與う、但煩熱する者は三物黄ごん湯之を主る。

諸家知見

方極
心胸苦煩する者を治す。

方機
四肢煩熱する者。兼用は黄連解毒散。

類聚方廣義 
骨蒸労熱、久咳、男女諸血證、肢體煩熱甚しく口舌乾涸、心気欝塞する者を治す。
 (湯本曰く乾涸の二字能く地黄の舌状を表示す玩味すべし。) 
夏月に至る毎に手掌足心煩熱堪え難く夜間最も甚しく眠る能わざる者を治す。
諸失血の後ち身體煩熱倦怠し手掌足下熱更に甚しく唇舌乾燥するものを治す。
小柴胡湯は、四肢煩熱して、頭痛、悪風し、嘔して食を欲せざる等の症有る者を治す。此方は外症已に解し、但だ四肢の煩熱甚しく、或は心胸苦煩する者を治す。弁識せざるべからず。

勿誤薬室方凾口訣 
此の方は蓐労のみに限らず婦人血症の頭痛に奇効あり又乾血労(陳久血による肺結核)にも用ゆ何れも頭痛煩熱が目的なり此の症は俗に疳労と稱して女子十七八の時多く患う必ず此の方を用ゆべし一老醫の傳に手掌煩熱赤紋ある者を血の候とす乾血労、此の候有て他證候なき者を此の方の的治とすと亦一徴に備うべし凡て婦人血熱解せず諸薬応ぜざる者を治す。 
 (湯本曰く本方證にして若し頭痛煩熱あるときは小柴胡湯と別なきが如きも此の證は煩熱主にして頭痛客たり小柴胡湯は胸脇苦満主にして頭痛煩熱客たるを以て判別すべし。) 

橘窓書影 
余血熱を治するに竹皮大丸、三物黄ごん湯を用いて屡奇効を奏す。

医聖方格
婦人草褥に在り、自から発露し、四肢苦煩熱し、寐ぬる毎に口舌乾燥して漱がんと欲し、胸中熱痞し、更に諸症を発し、一二時にして止むと雖も、睡りに就くときは、則ち復た前症を発する者を治す。

小倉重成
いわゆる血熱、四肢煩熱、身熱(邪熱内に伝わり未だ裏に結実するに至らず、その熱顕われて外に発し、人をして身重く微煩せしめるもの)、あるいは発熱、皮膚の発疹で掻痒甚だしく、煩熱を伴うもの、局部は発赤特に暗赤色、掻痒による不眠症。

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