柴胡加芒硝湯(さいこかぼうしょうとう)

傷寒論・金匱要略条文

【太陽病中篇】
傷寒十三目解せず、胸脇満して嘔し、日甫所潮熱を発し、已にして微利す、此れ本と柴胡の証なれば、之を下して利することを得ざるに、今反て利する者は、知る醫丸薬を以て之を下すことを、其の治に非ざるなり、潮熱する者は実なり、先づ小柴胡湯に宜し、以て外を解し、後ち、柴胡加芒硝湯を以て之を主る。

諸家知見

為則
小柴胡場の証にして堅塊ある者之を主る。

方極
小柴胡湯の証にして、苦満解し難き者を治す。

方機
若し潮熱去らず、大使通ぜざる者は柴胡加芒硝湯之を主る。

医聖方格
熱病、胸脇満(竪満)して嘔し、日甫所潮熱を発し、大便せず或は譫語し眠るを得ず、必ず舌黄焦なる者。

小倉重成
大柴胡湯で苦満便秘の強いもの。

皇漢医学
東洞翁曰く、「柴胡加芒硝湯は小柴胡湯証にして苦満解し難き者を治す。」又曰く、「小柴胡湯証にして堅塊ある者之を主る」と、この説理あれば本方は之によりて活用すべきものなり、然るに蕉窓雑話に、「按ずるに先生、柴胡加芒硝湯の章を説いて曰く、此の証に云ふ日甫所潮熱を発し、また潮熱は実なりと、是の症すでに陽明胃実の症を帯びたり、故に承気湯を用ゆべき處なれども胸脇満して嘔の症未だ去らざる故に大柴胡湯方中に芒硝を加へ用ゆるなり、即ち是れ大柴胡湯大承気湯の合方にして方中厚朴を去りたる方なりと云へり。」と説き、吉益南涯、浅田宗伯二氏亦同説を主張するは一理なきにあらざれども、大柴胡加芒硝湯を肯定し小柴胡加芒硝湯を否定するは非なり、二方共に其の証に随ふて活用するを是とす。

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