諸家知見
方極附言
心中悸して煩し、臥すことを得ざる者を治す。
方機
心中煩して臥すこと能わざる者。
胸中熱あり、心下痞し、煩して眠ること能わざる者。
医聖方格
陽病、発熱し、心中煩して安臥するを得ず、或は腹痛し、或は便血する者は、黄連阿膠湯之を主る。
腹診配剤録
心中煩悶して、志気尤も安んぜず、吐血に此の証多し。
柯琴
此れ少陰の瀉心湯也。
類聚方集覧
淋家、心煩して小便利せざる者を治す。
肘後百一方
大病差ゆるの後ち虚煩眠ることを得ず眼中疼痛、懊脳するを治す。
(尾台氏曰く梔子湯症に類して症情同じからずと實に然り注意すべし。)
類聚方廣議
久痢、腹中熱痛、心中煩して眠るを得ず或は便膿血の者を治す。
痘瘡内陥して熱気?盛、咽燥口渇、心悸煩躁清血するものを治す。
(清血とは鮮血の意なり)
諸失血症、胸悸身熱、腹痛微痢、舌乾唇燥、煩悸寐ること能わず身體困憊、面血色なく或は面熱潮紅するものを治す。
尾台氏
瀝症、小便熱湯の如く茎中?痛して血多き者には黄連阿膠湯奇効あり。
勿誤薬室方凾口訣
此の方は柯韻伯の所謂少陰の瀉心湯にて病陰分に陥り(余曰く陰分に陥るにあらず虚證に陥るなり)上熱猶去らず心煩或は虚躁する者を治す故に吐血、衂血、心煩して眠らず五心煩熱して漸々肉脱する者、凡そ諸病久しく熱気血分に浸淫して諸症をなす者、毒痢腹痛、膿血止まず口舌乾く者等を治して験あり又少陰の下痢膿血に用ゆることあり併し桃花湯とは上下の弁別あり又疳瀉止まざる者と痘瘡煩渇寐ざる者に活用して特効あり。
古方薬嚢
心に熱こもりて眠れざる者、この眠れざる様子は、ウツウツとして眠っているような、醒めているようなという案配で眠られぬものなり。熱性の下痢があって夜中煩して時々めざめてうるさき者もある。
漢方治療の実際
この方は黄連解毒湯や三黄瀉心湯を用いたいような患者で、やや疲労しているものに用いる。この方を用いる目標は、発疹が主として顔面に見られ、隆起があまり目立たないほど低く、指頭でなでるとざらざあらしていて、少し赤みを帯びて乾燥し、かゆみは少なく、糠のような落屑があり、風にあたったり、日光にあたるとわくるなるものである。
小倉重成
心煩、不眠、胃部軟にしてわずかに膨満、血証(緒種の出血傾向)、自覚的熱感及び煩熱、上逆傾向、易疲労、皮膚枯燥、虚渇。三黄瀉心湯の虚証。
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