局部と全体(帯状疱疹)

 これは、自分の体験です。
 去年(2001年)の10月の半ばのこと、なんとなく右肋骨下辺部のあたりが、何か違和感とともに少し痛いようなヒリつくような感じがありました。

 そう気にも止めておりませんでしたが、からだの姿勢を変えるたびに、軽い痛みがありますので、不思議に思って服をはぐって見てみますと、肋骨の下辺部に沿って皮膚が赤く地図状に不規則に盛り上がっていて、その中に小さな発疹のようなものが見えます。

 どうも帯状疱疹のようです。以前、同じく帯状疱疹を黄解丸と五苓散で治したことがありましたし、薬がすぐ手元にあるため、深く考えもせず、その赤みを見て、黄解丸(黄連解毒湯を丸剤にしたもの)を早速飲んでみました。飲んでいると、痛みはほとんど感じなくてすんだのですが、二日程経った頃、なんとなく足が冷えるようになりました。

 そこで、脈を診てみますと、深く圧さえないと触れず、しまりがなく散漫なかんじがあり、脈拍は、普段72あるのに、60に減じています。つまり、沈遅弱で、陰証の脈です。

 そこで、考えた末、
附子湯(ぶしとう)を飲むことにしました。これを飲み始めて、二日ぐらいすると、痛みは全く治まりました。帯状疱疹は、通常ひどく痛むものですが、私は全く痛まれずにすみました。

 いま(11月9日)このホームページを創りながら、服をはぐってみてみますと、すでに、膿疱は枯れて、血のかさぶたはところどころはがれています。患部に触れてみますと、何ともいえないいやなしびれたような感じがまだ少し残っています。

(2002年3月5日追記、現在まったくしびれ感も消失しこげ茶色に変色した跡がところどころ少し残っているだけです)

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 常々漢方は全身医学だと唱えている割にはとんでもない失敗をやらかしてしまいました。局部の赤みだけをみて、黄解丸を飲んだのは、大きなあやまりで、もっと全身的な観察の上に証(薬方)を決めるべきでした。つい自分の病気となると、簡単に薬を飲んでしまう傾向があります。何ともお恥ずかしい症例ではあります。
 反省!反省!猛反省!


「症例から見た漢方」は「漢方のものさし」「病気の本質」と読み合わせていただけば、よくご理解いただけます。