| 異名同病 |
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五島の70才代の男性が相談にみえました。「3年前直腸のポリープを手術して以来、ずっと下痢が続き、引き続き病院で治療を受けているがまったく改善の兆しがない。下痢は軟便で、したくなると急いでトイレにいかないと時々失禁する。しかしトイレにいっても少ししか出ず、頻回に何度もいく」といいます。 また、60歳代の婦人(家内の叔母)が便秘して困ると相談にみえたことがありました。病院でもらった下剤をのむと、腹が痛んで少し出るだけで、すっきり出てしまわず、下腹が脹って苦しいというのです。
最初の男性は下痢しており、次の女性は便秘していたのですが、二人共、腸が弱ったためにおこってきた症状で、共に桂枝加芍薬湯でよくなりました。下痢や便秘は単なる結果で、現れて来ている症状は正反対であっても、病因が同じであると同じ薬方でよくなります。現代医学では、下痢症と便秘症は全く異なった病気として治療します。しかし漢方では、病因を治す事を考えます。病因が治ると病気(結果)は必然的に治るのです。したがって、漢方ではその病因の治療法、すなわち、薬方名をもって病名とします。漢方的にいうとどちらも桂枝加芍薬湯証という病気です。
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| 「症例から見た漢方」は「漢方のものさし」、「病気の本質」と読み合わせていただけば、よくご理解いただけます。 |