「咳して脈浮なる者、厚朴麻黄湯之を主る。沈の者澤漆湯之を主る。」
此方小青竜湯の變方にして芍薬を去り厚朴杏仁小麦を加えて発中に降下を兼ねて喘咳を止め逆気を下す、脉浮なる者に之を用ゆ。
按ずるに此方脈の浮を以て咳を治する事を論じて其の症を云はず此の証極めて邪気風邪あって脉浮なるものなるべし。厚朴麻黄湯は外邪を散ずるを主とす、故に浮と云ひ、澤漆湯は内飲を逐ふを主とす故に脉沈と云ふ。厚朴麻黄湯は小青竜加石膏湯に同じくして惟下焦へ逆気を引き下して表を発せず蓋し咳嗽皆肺邪也。脉浮なる者多くは邪表に居す、故にこれを駆て外より出さしむ。脉沈なる者は其の邪多く裏に居す、故に此を駆て下より出さしむるなり。
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