「諸肢節疼痛、身體○羸、脚腫脱するが如く、短気、温温として吐せんと欲するは、桂枝芍薬知母湯之を主る。」
按ずるに諸肢節痛むは骨節悉く疼む也、若し痛み久しき時は邪盛んに正気衰えて身体オウ羸と疲れ痩する也、此れ気血衰弱の人風寒湿に犯されて気血凝り澁りて此れに因て関節諸筋に流通する事を得ずして歴る所の肢節皆疼痛するなり、風湿下に注ぐ時は脚腫るる事を為す、若し筋をやぶらるる時は脚腫れて脱するが如しと也、頭眩短気は正気上に虚する也、温々は欝してもやもやとする也。吐せんと欲する者は寒湿胃中に塞がるもの也。後の人此れを白虎歴節風と云ひ今痛風と云ふもの是也。
此方陽を壮んにし寒湿を散ずる也。故に桂枝芍薬麻黄防風白朮附子専ら陽気を温行して又寒湿を散ず、生姜多きものは吐せんと欲するを以て也、知母之苦寒以て辛熱を制するもの故に今痛風寒湿に因て痛甚しくして其の脉沈なる者に之を用ひて温散すべし。又此方後人用ひ難しとする剤なり、能く考え用ひて其の意を得べし。
|