十棗湯

「懸飲(水飲胸間に懸り)、咳唾引痛する者。」

 按するに脉沈弦なる者懸飲内痛とあり、脉沈を流飲とす、弦は肝脉也、是れ流飲脇下に留まるものにして即ち懸飲也。懸飲は咳唾して引痛す。故に内痛と云ふ、此方芫花の辛能く水を散じ大戟の苦能く水を泄らす、甘遂直に其の飲処に達して結する所の流飲を追ふ、三物皆峻剤たるによって大棗の甘を以て此れを緩くす。
 此れ流飲を下す強剤也。流飲に因て胸脇痛み肩背に徹して痛み甚しく或は咳嗽して脇下に引痛する者、此方を用いて大に効あり。張子?此方に牽牛子大黄を加へて三化神祐丸と名付け湿熱の諸症を下す。
 今脚気積聚疝気流飲心下に衝きて死せんと欲す者或は湿熱脹満の者其の人下すに堪えたる者屡々用ひて効あり。

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