アトピー性皮膚炎

 「アトピー」とはギリシャ語で「奇妙な」という意味です。その根底にはアレルギー体質があり、アレルギー体質というのは、遺伝的、あるいは生まれつきの過敏性体質のことで、アトピー性皮膚炎のほか、ぜんそく、アレルギー性鼻炎などがよくみられますが、症状は軽重さまざまです。アトピー性皮膚炎は、そのような素因のある人に、いろいろな刺激が加わって、皮膚に湿疹様変化をきたしたもので、他のアレルギー性疾患と同様、現代医学的には非常に治しにくい疾患で、決め手となる治療法がないのが実状です。漢方においてもかなり手を焼く疾患の一つですが、病人と施薬者の間に信頼関係があれば、気長に治療することにより根治するものが相当あります。
 治療にあたっては、体質や湿疹の状態から、三陰三陽より、漢方薬を選び分ける必要があります。また、ときには二〜三の薬方を同時に用いたりしなければならない場合もあります。

葛根湯………………初期、漿液は出ないか少ない、赤く、痒みや熱感を伴う、項背の強ばり、
荊防敗毒散…………化膿性皮膚疾患、頭痛、
桂枝加黄耆湯………虚弱な子供、汗かき、寝汗、疲れやすい、化膿し易く滲出物の多いもの、
黄耆建中湯…………疲労感、寝汗、
十味敗毒湯…………痒み劇、化膿傾向、滲出液が多い、
越婢加朮湯…………患部・分泌物・汚穢・浮腫状、口渇、発汗傾向、小便不利、浮腫、
越婢加朮附湯………同上で手足が冷えるもの、乾燥しているものにも奏功する場合がある。
麻杏甘石湯…………皮膚乾燥、艶がない、患部熱感、
荊芥連翹湯…………青年期、化膿傾向、手足の裏湿潤、皮膚浅黒い、腹直筋緊張、手掌足裏の化膿性湿疹に特効
柴胡清肝湯…………腺病質の子供、癇が強い、好き嫌いが多い、腹直筋緊張、ひどくくすぐったがる
黄連解毒湯…………乾燥、熱感、痒い、のぼせやすい、いらいらする、
温清飲………………患部乾燥・赤み・熱感・痒み強、皮膚浅黒い、心下に軽度の抵抗と圧痛、
茵G蒿湯……………痒みが強い、夜も眠れない、口渇、小便不利、首上に汗、便秘、
白虎加人参湯………痒み・発赤劇、患部熱感・乾燥、口渇、自汗、小便自利、
白虎加桂枝湯………同上で、のぼせて顔が上気、
大柴胡湯……………湿疹の患者で、胸脇苦満があって、便秘し、脈にも力があるものによい。患部は湿ってかさぶたを作る傾向があるものに用いる。
真武湯………………胃腸虚弱、下痢傾向、冷え症、脈弱、赤みに乏しく、発疹も小さいい
大黄牡丹皮湯………悪臭、漿液性、患部鬱血、汚い、小腹腫痞、便秘、
桃核承気湯…………漿液が濃く、悪臭、患部が赤黒く鬱血、かさぶたができやすい、痒みが強い、のぼせ、頭痛、便秘、小腹急結、
桂枝茯苓丸…………頑固な湿疹で、E血の腹証として、下腹や臍傍に抵抗と圧痛。 いろいろの薬方で効のないものが、これで治ることがある。
加味逍遥散…………のぼせ、頭痛、肩こり、眩暈、動悸、不眠、足冷え、月経異常、腰痛、多怒、小便不利、ときどき起こる熱感、午後の逆上感と顔面紅潮、背部に熱感や悪寒と発汗、便秘傾向、いつも申し分が絶えない者、
当帰飲子……………冷え性、貧血性、患部乾燥、ときに分泌湿潤、痒みが強い、腎硬化、
温経湯………………凍傷、乾癬、手掌角皮症、口唇乾燥、手掌煩熱、下腹膨満痛、のぼせ、
防風通聖散…………体格のよい肥満した人、便秘、脈にも力があり、湿疹が頑固で治り難い。患部は赤くただれ、分泌物が湿っていることが多い。
治頭瘡一方…………小児頭瘡、掻痒、汚穢、汚い滲出液、糜爛、かさぶた、便秘傾向、(或去大黄)
消風散………………患部の充血と痒みがひどい、かさぶた、臭気、夏に悪化、口渇、
清上防風湯…………首から上の湿疹、患部に赤み、腫脹、化膿傾向、のぼせ、赤ら顔、

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