アレルギー性鼻炎

 アレルギー性鼻炎は近年著しく増加の傾向をみせており、日本では1千万人から2千万人いると推定されています。アレルギー性鼻炎は、もともとアレルギー的素因のある人が花粉やほこりなどの抗原(アレルゲン)にふれることによって発症し、その主な症状は、くしゃみが頻発し、水鼻がとめどめもなくでたり、鼻の詰まった感じや、鼻からのどにかけてもぞもぞした感じや痒みなどが見られます。また、結膜炎を併発し、目の周囲が発赤して痒かったり、涙が出るという症状も多く見られます。その中で、季節的に起こるものを季節性鼻炎といい、その原因の多くは花粉にあるところから、花粉症とも呼ばれます。
 西洋医学的には抗原(アレルゲン)をさがし、それをなるべく避ける工夫をするとともに、減感作療法などを行いますが、なかなか根治に至らないことも少なくありません。むしろ漢方的に処置することで効果があがる場合が多いものです。漢方薬は、症状を改善するだけでなく、長期に服用すれば体質も改善されることが少なくありません。
 体力が比較的あり、食欲も普通で、鼻づまりがひどく、頭痛や頭重、項や背のこりがあれば葛根湯、さらにそれで炎症が強ければ葛根湯加黄B石膏などを用います。
 体力が普通の場合は、鼻水が多くて、尿量減少があれば、小青竜湯を、患部に熱感や痛みがあって鼻づまりが強ければ辛夷清肺湯、口渇、発汗があれば越婢加朮湯などを用います。
 体力がない場合、手足の冷えや悪寒、微熱があって気力が低下していれば麻黄附子細辛湯、胃腸が弱くて冷え性があれば、苓甘姜味辛夏仁湯などを用います。
 
葛根湯……………………項背強、鼻づまり、クシャミ、やや粘い鼻汁、(炎症が強い→加黄B石膏)
麻黄湯……………………鼻づまり、くしゃみ、無汗、
小青竜湯…………………流涙、水様の鼻汁著明、くしゃみ頻発、
大青竜湯…………………鼻水が多い、くしゃみ頻発、尿量減少、口渇、
越婢加朮湯………………結膜・鼻孔の充血、眼の周囲の発赤腫脹や痒み、目やに、ただれ、流涙
小柴胡湯…………………神経過敏、発作に対する不安感、癇の強い子に長服、口苦、胸脇苦満、
柴葛解肌湯………………肩こり、みぞおちのつかえ、
柴胡桂枝湯………………のぼせ、発汗傾向、口苦、食欲不振、肩こり、食欲不振、
柴胡桂枝乾姜湯…………易疲労、寝汗、口渇、動悸、肩こり、発作的にクシャミと鼻水がでる、頭汗、
辛夷清肺湯………………副鼻腔炎を併発、鼻閉劇、肩こり、口渇、
十味敗毒湯………………慢性化したもの、多量の膿性の分泌物、軽い胸脇苦満、
荊芥連翹湯………………慢性化したもの、鼻づまり、濃い鼻汁、皮膚浅黒い、腹筋緊張、手足の裏湿潤、腹診するとくすぐったがる、
麦門冬湯…………………くしゃみ頻発、時々水様の鼻汁、咽の乾燥感、(秋口に咳嗽)
小建中湯…………………痩せて血色悪く、疲れやすい、鼻血、腹痛、腹筋緊張、小便自利、
苓桂朮甘湯………………流涙、のぼせ、たちくらみ、動悸、息切れ、胃内停水、小便不利、
半夏白朮天麻湯…………眩暈、頭痛、胃弱、胃下垂、胃アトニー、足冷え、食後の倦怠感、
甘草附子湯………………風引きやすく、背中にぞくぞくとした寒け、くしゃみ、鼻水、流涙、頭痛、のぼせ、
麻黄附子細辛湯…………冷え性、脈沈、顔色悪い、症状は軽いが長引く、背中全体に寒け、
苓甘姜味辛夏仁湯………冷え性、鼻汁が多い、胃弱、浮腫、
当帰四逆加呉生湯………手足の冷え強い、頭痛、腰痛、腹痛、嘔吐、くしゃみ頻発、(凍傷)
十全大補湯………………全身衰弱、貧血、顔色悪く羸痩、温按を喜ぶ、くしゃみが止まらず、鼻が乾燥しがち、薄い鼻汁、

薬方名をクリックしていただけば、薬方の説明に移動できます。)


※胸脇苦満…仰向けに寝て、左右の肋骨弓下を圧えると、他の腹部に比べ、抵抗や圧痛がある。

薬方名をクリックしていただけば、薬方の説明に移動できます。)

漢方コンピューター診断でもっと詳しく調べる
症例検索で症例を調べる

おすすめします

漢方薬方の説明を読まれただけでは漢方的な考え方は十分には理解できません。
「症例から見た漢方」
「漢方の特質」「医界の爆弾」「皇漢医学」、なども是非一緒にお読みください。