扁桃肥大は扁桃が肥大してふつうよりも大きくなったものです。口蓋扁桃の肥大、咽頭扁桃の肥大(アデノイド)がよくみられます。単に扁桃肥大というときは口蓋扁桃の肥大をさします。子どもの扁桃は肥大しているのがふつうで、これはその成長発育過程において、からだを感染から守るひとつのしくみとも考えられます。
しかし、炎症をくり返して扁桃肥大となった比較的年長児や成人の病的肥大の場合は、腎炎やリウマチ熱などの病巣感染の病因となることも多いといわれており、また、学童では、扁桃肥大によって鼻腔が圧迫され口をあけて息をするため、注意力が散漫となり、授業に集中できなくなったり、あるいは食事ができにくくなったり、成長発達が障害され胸の発育異常(鳩胸)などもみられ、さらには、いびきや難聴、睡眠時無呼吸症候群などもひきおこすことがあり、近年、学校保健のうえで大きな関心がよせられるようになりました。
このような病的肥大に対して、西洋医学では最終的には手術による治療が行われますが、これは、あくまで、局部的治療で、根本的治療とはいえません。
扁桃はリンパ腺のひとつで、これが弱いということは体の抵抗力が弱い、いわゆる虚弱体質で、肝臓のバランスがくずれていることが多いようです。したがって肝臓のバランスを調えることが大事です。炎症期には葛根湯などを用いて炎症をのぞき、慢性期には、体のバランスのくずれ方により、主として柴胡剤(柴胡桂枝湯、小柴胡湯、柴胡清肝湯、荊芥連翹湯、大柴胡湯)の中から適方を選び、あるいは、更に体質が弱く普段腹痛などを訴える子供には小建中湯などで体質改善をすれば、手術をしなくても治ってしまうことが多いものです。
(実)葛根湯…………鼻づまり、頭痛、頭重、項背強、
(実)大柴胡湯………胸脇苦満、上腹部膨満、つかえ感、便秘、神経症状、
(中)荊芥連翹湯……皮膚浅黒い、手足の裏に汗、(副鼻腔炎併発)
(中)柴胡清肝湯……神経質、偏食、癇が強い、こそばゆい、リンパ腺、(小児腺病質)
(中)柴胡桂枝湯……胸脇苦満、腹直筋攣急、冷えのぼせ、
(中)小柴胡湯………胸脇苦満、 (発赤・炎症→加桔石)
(虚)小建中湯………腹直筋緊張、腹痛を訴えがちな子供、(屡々腹痛)
黄蘗煎…………(虚)朝晩うがい、扁桃が腫れなくなり、風邪を引きやすい体質も改善
※胸脇苦満…仰向けに寝て、左右の肋骨弓下を圧えると、他の腹部に比べ、抵抗や圧痛がある。
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