| (4.84) |
この定義において「ある半径」となっているのは、
を頑張って小さ
くとって
と出来るなら
は近傍
だと認められる、という意味です。
ここでは
次元空間
と一般的な距離
を使って定義しましたが、一般的には位相空間
と距離
によって定義するのが普通です。
さて、それではリヤプノフ関数の正確な定義をしましょう。
リヤプノフ関数を使った、解の安定性について次の定理が成り立ちます。
安定、不安定の条件を満たすことを言えば良い。
であるので、解曲線は
という閉曲線を外から内に向かって通ります。平衡点近傍の全ての
について
これが成り立っているのだから、これは安定性の条件を満たす。
また、
ならば、
は単調減少で下に有界だから極限が存在します。
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もし
なら、
は
において
上にあることになります。その時、
となります。しかし、
これは
に矛盾。つまり、
となります。
これで漸近的安定の条件を満たすことの証明が出来ました。
どんな点
の近傍をとっても
がある
ので、これを出発とする解は
なので、0には近づけません。
これは不安定な平衡点であることの条件を満たしています。
この、不安定であるための条件は強すぎで、もう少し弱めた条件でも 不安定な平衡点が見つかります。それは次の チェタエフの定理(Chetaev's Theorem)によって示されます。
安定性の定義が、満たされないことを言えば良いのです。
を考えます。二つ目と三つ目の仮定から、
において、
となります。
この領域では
であるから、解
は
にわたって(この先ずっと)、この領域に留まることは
出来ず、有限時間後にはこの領域から逃げ出してしまいます。
また
において
であるので、解は
の部分を通って逃げることは出来ません。
なので
は決して0にはなれないからです。
つまり、解は
を通ってこの領域の外へ出ます。
以上より、安定性の定義が満たされないことが証明できました。
これで証明はOKですが、この定理に私は最初、次の二つの疑問を持ちました。
一つ目の疑問は、安定性の定義を考えれば直ぐに解決できます。
安定性の定義は、「
に対し〜」でした。つまり、
ある
において
の中で、
が無限大に発散
しても、十分小さい
を取れば(
はいくらでも小さく取れ
る!)、
の外で
が無限大に発散するように出来るの
です。そのような
について成り立たないなら、当然
に対し成り立つはずはなく、よって安定性の定義を満た
さないのです。
二つ目の疑問は、
が一回微分可能、つまり連続関数であることが分かれば
解決できます。
は連続関数であるので、曲線
には「切れ目」がありません。
領域
の外に出なければ
には成り得ないのですから、解が
平衡点へ舞い戻る可能性はありません。